はじめに
念願のマルガリータ島までおおよそ2000㎞の長旅だったが、マナウスを出発してから3日にして無事上陸を果たすことができた二人はまだマルガリータ島の良し悪しもわからないまま眠りについてしまった。
そう明日わずかな時間しかないマルガリータ島の一日をどう過ごすかも悩まないうちに・・・如何に今回のドライブが行きたい想いだけで来てしまったのだと改めて感じてしまう。
そうは言っても4日目の朝はやってくるものでマルガリータ島の一日が始まりました。
マルガリータ島内散策の様子や再びヴェネズエラ本土に渡る道中を楽しみましょう。
マルガリータ島の魅力、マルガリータ島1~2位を競う高級ホテル
4日目にして迎えたマルガリータ島の朝、目が覚めたのは確か7時頃だったと記憶しているが相棒から声がかかり朝飯を食べに行く。
ロビーを抜けてレストランに向かうのだがさすがにきれいなホテルらしいホテルである。
聞けばマルガリータ島で1,2位のホテルとの事納得した次第である。
そういえばロビーを抜けていくと何故か見慣れた顔がある。
そう今回の旅のアレンジをしてくれたパラアマゾンツーリズモの米倉氏がいるではないか。
声をかけると他のツアーを企画して同行してきているのだという、我々が走り出した頃からもうマルガリータについていたというさすがに飛行機である。
しかしながらここまできて知る人に会うと心が和むものである。
挨拶を交わして足早にレストランに今までの朝飯とは比較にならないほど豪華に感じられた。
如何に今までたいした物を食っていなかったかを実感した瞬間でもあった。
食べながらレストランの店内をぐるりと見回す。
するとここにも又知った顔が、よく見れば我が社の部長夫妻よくもまあ会うものだと感心した次第である。
マナウスから気軽に行ける所であるという事の証明でもあろう。
朝飯も済ませて腹の具合も良くなった所で散歩に出てみる事にした。
このホテルは海岸沿にあり道路を挟んで向うには白い砂浜と青い海原が見渡せる、だがチョット様子がおかしい白い砂浜には人っ子一人見えないではないか。
取敢えず良く分からないが行って見ようと外に出た。
太陽が燦燦と照りつけ暑い道路を横切って砂浜に行って見て驚いたがまず匂いが強い、砂浜には死んだ魚が打ち上げられて転がっている。
マルガリータ島の海はとてもきれいだと聞いてきたが、何とイメージの違う事か。
同じように海岸を散歩していた人に出くわしたので聞いてみると、この辺の海岸は汚染がひどく其の為に匂いが強く魚まで死んでしまうというのである。
この辺の海岸では海水浴は無理だと言われた。
海で遊ぶならば反対側のほうに行かなければだめなのだそうだ。
それにしてもこれほど汚れているとはチョット信じられない光景であった。
島内散策
気を取り直していったんホテルに戻る事にした。
これからの時間はタクシーで島内見物をしようという事になってタクシーをオーダー。
それにしても我が愛車を連れてこられなかった事がやはり悔やまれた。
車があればわざわざタクシーなどを頼まなくても気ままに見て廻れるものをと後悔したものである。
タクシーに乗っていざ島内観光に出発タクシーをホテルのフロントに頼み玄関前に来たのが馬鹿でかいむかしのアメ車、ダッシュボードはチンチラを貼り付けたようなそんな車を運転している運転手がこれまた結構ごついおっさんである。
どこに行くかと聞くからどこでもいいから島内を案内してくれというと、まず入り江になっている所がありきれいだからと連れていってくれた。
時々入り口を間違えたのかUターンをしたり、道行く人に尋ねたりしながら目的の入り口についた。
そこには小型の観光船(よくRio NEGROで見かける 20人乗りくらいの観光ボートと同じ)がいくつもとまっていて、出入港を忙しく繰り返していた。
ここでこの観光船をゲットし、船による入り江散策をすることにした。
入り江の中に入っていくといくつかの水路があるようで、其の中を器用にドライブしながら其の景色を見せてくれるのだが、この中を船に揺られて眺めているうちに、いつしかアマゾン川の支流を進んでいる錯覚に陥る。
其の景色は全くよく似ていた気がした。
ただチョットマングロープのような根をむき出しにしている木が多かったかなという印象はあるが!!
かれこれ30-40分くらいは船に揺られていたような気がするが、多くの観光客が入り交じり多国籍の様相はどこでも感じられる。
船のドライブを終え丘に上がる。
ここは砂浜の一部が隆起状態で海側と入り江側を遮っている感じで格好の海水浴上になっている、この辺の海はこの前見たホテル近くの海と違ってきれいである。
当然の事ながら砂浜で遊ぶ人、泳ぐ人など人が大勢いる事でも確かに別の所とは違う事が分かる。
漂ってくる海の香りもまたなかなかのものである。
この辺もアクセサリー売りや食べ物売りの出店が並ぶ、どこに行っても商魂たくましい人はいるものだと感心させられた。
次の所に移動するが、ちょっと走るとすぐに町並みは消えて砂漠のような景色になる。
潅木の小さな木が並び其の中にサボテンの大きな柱が聳え立つ、高いものは4-5mもありそうなものもある。
しかしこう走り回ってもあまり見る所はない所だという印象は隠せない。
マルガリータ島のスペイン料理
夜は町中のスペイン料理の店で食事をとる。
さすがに海近くでもあるし、元々スペイン料理は海鮮ものが得意割と美味い料理が味わえる。
メインはやはりパエリア・・ということで飲み物はラム酒にイワシの料理や貝料理などのつまみを併せて注文し、メインのパエリアが出てくるまで雑談や明日の相談をしながら待った。
暫くして丸鍋に作られたパエリアが素晴らしい香りとともに運ばれてきたのだ。
やはり海の傍で味わう新鮮な海鮮物のスペイン料理は格別なものがあった、
ここまでの食生活の不足を取り戻すがごとく美味しくいただいたのだった。
ブラジル料理は食べた後でおいしかったという印象に残るものがなかなか多くない。残念ながら!!
明日は早早にマルガリータを離れるのである。
明日の朝の船に乗らなければ予定通りマナウスには帰れなくなるのだから、と自分に言い聞かせ今日は眠る事にした。
マルガリータ島離島の時
翌朝電話が鳴り響いた、何事かと飛び起きれば相棒からの朝食コールだった。
朝飯を食べにホテルのレストランに、バイキング形式に並べられたパン類や果物、野菜などを取り朝飯を楽しんだ。
食後すぐに部屋に戻りシャワーを浴びていよいよ帰り支度、それにしてもこのホテルでこんなに早く帰り支度をする客も珍しいだろう。
大体は1週間程度滞在して、ゆっくりと島内を満喫するのが一般的らしい。
たまにはこんな客もいていいのかもしれないが!!
たった一日しか楽しめなかったまマルガリータ島だが、この短すぎる滞在が余計に余韻を残すだろうと考えながら・・・
2度目のフェリー乗船、本土についてみたら・・・
ホテルを出て船着き場に向かう、船はほぼ予定通りで出港した。
これから又約4時間の船旅、これから先の過酷ドライブを前にして十分体力を戻しておく必要あり船の中で寝ていこうと考えていたら本当に寝てしまったらしい。
暫くして接岸完了すると皆手にはいろいろな荷物を持って下船をし始めた。
我々も後に続く、我が愛車の事を少し気にしながら!!
フェリーターミナルを抜けて表に出てみると、我が愛車はいたずらこそされた様子はないが前々から空気を足しながら走り続けていたタイヤの空気が見事に”0”の状態でホールが地面につくくらいまでになっていた。
これには目の前真っ暗という感じで唖然としたが、このまま走るわけにも行かず、仕方なくジャッキを出してタイヤ交換に取り掛かった。
通りかかる人がじろじろと見る中で程なくタイヤ交換を終えたが、ジャッキを下げてまたびっくり、交換した予備タイヤがほとんど以前のパンクタイヤと同じ状態なのである。
これには自分の無関心さが情けなくなった次第である。
よく考えればスペアータイヤの空気の点検も今までやった事などなかったのだから、いざ使う時にこのような状態であっても無理のない事である。
パンク修理専門屋
これには困り果てて聞けばこの駐車場を出てすぐにタイヤのパンク修理専門屋があるというのである。
これはラッキーとすぐ傍ならこの空気のない状態のタイヤでも問題無いと、ほとんど空気のないままの状態で車を運転し、駐車場を恐る恐る出た。
果たして本当に修理屋はあるのかと一抹の不安を抱きながら・・・すると約100mくらいだったと記憶しているが、この辺特有?の小さな小屋のパンク修理屋が現われた。
これを見た時にはあー これで助かったと喜んだものである。
このパンク修理屋は若者が3人くらいでやっており、次から次からパンクした車が入ってくる、それにしてもどうしてこんなにパンクが多いのかと驚いた。
前の車の作業が終わり、次は我が愛車の番である。
タイヤを外して空気を入れ水の中へほどなくして彼らはパンクの原因を探し当てた、何と一寸くぎが出てきたのである。
あのトラクターのようなタイヤでもくぎ一本で簡単に空気がぬけてしまうのである。
彼らは結構手早く処理をする。
手慣れている感じで、ずーっと見ていたが手抜き作業をする様子もなくこれならと安心もした次第である。
パンクの修理も終わり一路マナウスに向けて再度アクセルを踏み込む。
マナウスに向けてといってもまだ残り2000㎞ある訳で、マナウスのイメージなどまだまだ湧かないのも確かであったが!!
あとがき
長いアマゾンジャングル走破の旅はようやく半分の往路走破が完了した。
然しながら復路についても、飛行機や船を使うわけでもないので自力で同じように走り続けなければならない。
これまでの往路で走り抜けてきた道と同じ道を引き返すことになるので新しい発見があるかどうかはわからないところではあるが、往路では出会うことの無かった驚きや不思議に遭遇することを夢見ながら、残り2000㎞の走破に向けて走り出した。
これから先にどんなドラマが待っているのか想像するワクワクドキドキを抑えながら・・・
最後まで読んで頂きありがとうございます。
【回想録】アマゾンジャングル!マナウスーマルガリータ島走破記録(8)はこちら