前回マナウスを出発してアマゾンジャングルの道路に足をいや車を踏み入れその過酷さの一端が見えてきました。
更に車を走らせジャングルの過酷さの中にある感動の数々を紹介しています。
どんな感動がまっているのやら・・・
Jungle Starry Sky Equator
ジャングルの道はドキドキがいっぱい!
イガラッペのドキドキがたまらない
道はこの先の集落カラカライまで未舗装のこの状態が続くのだが道中にはイガラッペが多数存在します。
イガラッペとはトッピ系先住インディオの言葉でカヌーの通る水路のことのようだが、実際には渓流や小川のイメージです。
幾度となくイガラッペを渡る羽目になるのですが、イガラッペにかけられた木製の橋がまずドキドキ感満載なのです。
どう見てもがっちり系ではなく細い柱と板で作られたその橋は、路面が板張りで板と板の隙間が大きく又穴が開いている板も多くあり車で通過できるのかな~という心配がよぎります。
その板張りの路面上に、進行方向と同じ向きにタイヤ幅ほどの補強用と思われる板が渡してあり実に走りにくい。
何故かといえばこの細い補強板の上にタイヤを通さなければならない状況で、数十か所もある橋を渡るたびにドキドキ感を覚えるのです。
赤道のモニュメント
マナウスを出発して凡そ350㎞、道路わきに岩とホッケーのスティックを組み合わせたようなモニュメントが現れます。
モニュメントには「EQUADOR」。
位置的にはアマゾナス州から州境を更に北上したボアビスタ地内に入って間もなく見ることができるのですが、周辺には特に何もなく観光地化されているわけでもないのでなかなか訪れる人も少ないようです。
又この「緑の大地を貫く赤絨毯の道」には、多品種の花が咲き乱れているが残念ながらあまり画像を残せていいませんでした。
ここに一つ茄子の原種のような植物を紹介してみましょう。
花も葉の形状も実も何となく茄子を連想させるではありませんか。
茄子の原種のような花
真っ暗闇の中の感動
我々は夜を徹して真っ暗なジャングルをひた走りました。
途中に小さな部落はいくつかありますがほとんどの道程は全くの闇、何の照明も無く道路を走る車のライトだけが唯一の灯りなのです。
はたしてどれだけ暗いのだろと車を止めライトを消してみて驚愕。
自分の腕や手すらも目視することができない真っ暗闇の中にいることを改めて知ったのでした。
途中で道の上に光るものが横切った間隔を覚え思わず車を止めてよく見るとワニが道路を横断する所でした。
すかさずカメラを取り出し車を降りて構えたが車のライトから外れた闇の中では写真が撮れるはずもなく、わずかに鰐のしっぽが反対側に消えていく一瞬を目視で確認できただけでした。
それにしても此れだけの真っ暗闇の中を二人だけで夜通し運転していても”恐い”という感情にならなかった事は今でも不思議に感じられてなりません。
多分恐い感覚よりも未知を知りたい好奇心のほうが高ぶっていたのでしょう。
そしてこの闇の中で上を見上げた時我々は言葉を失ったのです。
星、星、満天の星です。
天を仰いだ瞬間鳥肌が立ったのです。
それは言葉では説明できない美しさであり手を伸ばしたら届きそうなほどなのです。
星がこんなにも多くあるということはそれまでの僕の理解を超えていました。
どこのプラネタリウムでも、これだけの星の数を再現できているところはないであろう。
天の川はちゃんと川になっているのだという事実。
それもよく見るとではなく目を上げれば釧路湿原を蛇行する釧路川のように、水の淀みまで見えるようなそれほどまでに川なのです。
天の川が川だということが簡単に理解できるのです。
そして此れだけ多くの星があったら異星人がいても不思議でないだろう。
SFの世界が現実の世界になっても不思議ではないだろうと思いをはせてしまうひとときでした。
フェリーボート事件
目指すカラカライの手前には小さな集落があります。
我らは真夜中に立ち寄ったこの集落で嫌なニュースを耳にしたのでした。
カラカライの直前に大きなブランコ川があるのですが、川には橋が架かっておらずフェリーボートが就航していることは聞いていました。
耳にした嫌なニュースというのは夜中の2時に出る予定のフェリーボートが今壊れていて修理中というものでした。
ニュースソースも少ない状況ながら修理の目処もたっていない様子が現地人の声から伝わってきていました。
このフェリーボートが予定通り出発できなければ、我々の限られた日程にも大きく影響することは必須で気を揉んでおりました。
20分、30分と時間ばかりが過ぎていく中真偽の確認もできずイライラしていた折、ボアビスタに戻る軍隊のトラックにたまたま遭遇したのです。
いろいろ情報交換をする中で最悪フェリーが無ければ軍隊のフェリーを呼ぶから、其れにおまえたちの車も載せてやると約束してもらうことができたのです。
此れはとてもラッキーなことでした。
我らは軍隊よりも先に其の部落を出発したが、フェリー乗り場に着くと案の定定期フェリーボートは修理中で出発の目処が立たないという。
乗り場の傍のランショネッチ(軽食屋さんのようなもの)のおやじさんが、この場所を貸すからここで寝ていけという、治るまでにはまだ時間がかかるという。
とりあえずパンを頬張っていると先ほどの軍隊がフェリー乗り場にやってきました。
軍隊の連中もどかどかと店に入り思い思いに飲み物、食べ物にありついていましたが、先ほどの小隊長は盛んに基地と連絡を取り軍隊のフェリーを呼んでいたのです。
暫く待つ事約一時間ほどで、軍隊のフェリーが到着しました。
さすがに立派なフェリーです。
大きさも定期船より大きく、がっしりとした風貌でした。
最初に軍隊のトラック2台、定期就航バス1台、最後に僕らの車が乗せられいよいよ川渡りで乗り場を離れて10分ほどで反対岸に着いたのでした。
岸に降りて暫く走るとカラカライの町の灯が見えてきました。
ここからは道が舗装されていることが新鮮で、やっと東京―大阪間程もある未舗装のジャングル道を抜けてきたのだと実感したものです。
既に時刻は午前3時を過ぎており、もうひと走りして初日の目的地ボアビスタのホテルに飛び込んだのは朝の4時を廻っていました。
実はボアビスタに着いていざホテル探しをするも全く初めての土地であったこともあり、又夜のとばりの中で道を聞くこともままならず路地を入っては戻るといった右往左往の時間を30分以上も続ける羽目になっていたのです。
しかしながら朝の早い人はどこにでもいるもので、ようやく出会えたその人に道を聞くことができて無事ホテルにチェックインすることができほっとしたのを覚えています。
なんとマナウスを早朝5時に出発してから20時間以上もの長時間、ほとんど運転の初日であったがよく走ったものです。
ホテルに入った後はただ眠るのみで、すぐに眠りについたのは言うまでもありません。
Jungle Starry Sky Equatorまとめ
マナウスから走り続けること20時間超、東京ー大阪間ほどのなが~い未舗装道路の走破でしたが、過酷な中にあっても大いなる感動の連続で初日から意義深いものでした。
この後いよいよヴェネズエラに入っていくことになるのですが、ヴェネズエラにも感動の数々が待っておりまだまだ楽しんで頂ける内容が盛りだくさんです。
ブラジルとヴェネズエラ、はたまた日本との価値観の違いなども感じて頂けたら嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

