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アマゾンジャングル!マナウスーマルガリータ島走破記録(3)
はじめに
旅の2日目はブラジル最北端のボアビスタから、隣国ヴェネズエラのサンタエレナへと国境をまたぐことに!
ヴェネズエラと言えば産油国であり車を飛ばす我々としてはガソリンの価格が大幅に下がることを期待したが、ここサンタエレナでガソリン給油の際国境の土地ならではのあるあるに遭遇し戸惑ったことなど書いてみた。
目に映る環境が大きく変わっていく様子を感じて頂けるでしょう。
ボアビスタの朝
昨夜というか今朝方というか夜中走った時は気にならなかったが、ボアビスタに来ると今までの景色が一変する。
即ちジャングルが無いのである。
大草原になる。
大湿原といったほうが正解かもしれない。
一面に草原が広がり水に浸っているのである。
所々に椰子が立ち並びマナウス周辺と比べれば異国のような気分を味わえるのだがここもブラジルなのである。
朝6時を廻った頃目が覚めて朝食のテーブルについた。
睡眠時間は短かったが短時間でも熟睡できたことで目覚めはスッキリであった。
どこにでもあるホテルの朝食風景であるがやはりちょっとお粗末かな!!といった印象、薄切りのチーズに、ハム、パンが2-3種類並んで傍らにポットのコーヒーとミルク、ひどく甘そうなケーキがこれまた2-3種類、よく朝からこんな物が食べられるなと思いながらも、昨日一日ほとんど食事らしい食事をしていなかった我々にとっては、やはりご馳走なだ!!
とりあえず腹に食物を押し込んで、いざ出発と車にいけば、相変わらずタイヤの空気圧が異常に減っている。近くのガソリンスタンドでガソリンを入れながら、タイヤにも空気を押し込む。
そして走り出したがやはりこの先のタイヤが心配!・・・ということでタイヤの修理屋を探そうと、うろうろするも、看板はあるが店が閉まっている。
良く考えたら今日は日曜日だったのである。
だがあきらめずにもうちょっとと探していると、とある一件の修理屋で小学生くらいの子供が家の前にいた。
聞けばここの修理屋の子供で今はお父さんがいないとの事、残念がっていると其の子供が突然”僕が治せる”という、まあ半信半疑であったが”門前の小僧経を読む”とも言うしという事でやらせてみた。
彼曰く”ムシ”が悪いという、部品はあるというので交換してもらい空気を入れて今度こそいざ出発と意気揚々と朝の町中を快調にアクセルを踏みこんだ。
朝の町はやはり活気がある。
夜中と比べれば当たり前の話ではあるが、其れでも全体に広々としている分閑散とした町という感は否めなかった!
やがてボアビスタの町外れにかかると朝もやの中に再び大草原が広がり、其の中に一直線に伸びた美しい道路が延々と続くのである。
これからヴェネズエラの入り口の町サンタエレナまで約3時間のドライブである。
右を見ても左を見ても大平原、大湿原??どっちでもいいが、一面の草がひたひたと水に浸っているのだからやっぱり大湿原かな、などと考えながらただひたすらハンドルを握りアクセルを踏んでいく。
この草原の中には牛が歩き、馬が走っている。
聞けばこの馬達は野性化しているそうで元々は飼い馬だったのが、2-30年の年とともに野性化していったのだそうだ。
それにしてもこの大湿原をあの”ホバークラフト”で走り回ってみたら爽快だろうな~などと考えながら車を走らせていたのである。
まあ何もする事がないからいろいろな事を考えてしまう。
遠くには椰子の木が一直線に並び、所々には大きな石が転がり小山のような様相を呈している。
ここがホライマ州である。
この周辺にはむかしの人たちが描いた壁画?が残っていたり、きれいな滝があったりと珍しいものが多くあるそうだ。
しかしながら、残念なことに我々は目的がチョット違ったのでこの辺で道草を食っているわけにもいかず、まっすぐに伸びた道路をひたすら走りつづける事になったのである。
別の機会に訪れてゆっくりとこの辺も見てみたいと未練を残しながら!!
ブラジルーヴェネズエラ国境
そうこうしている間に車は少し上り坂にさしかかり、道路がわずかにうねり出した。
まもなく国境に近づく、いよいよブラジルからヴェネズエラに入る瞬間を迎えようとしていた。
先のほうに小さな家並みが見えてきた。
国境のゲート付近にわずかばかりの集落といってもお土産やさん、食べ物屋さんが集まっている感じで、ゲートを目の前にして小休止、まず食べ物やさんに入ってちょっとした食べ物とコーラを流し込んだ。
(何を食べたのかは憶えていないが、揚げパンのようなものだったかな??)
いよいよゲートを超えてヴェネズエラに入るのかと思ったら、感慨深いものが込み上げてきた。
ここまでの約1000kmの道のりがあっという間だったと思う反面いろいろあったことが思い出された。
其のすぐ後に良く考えたらヴェネズエラの通貨はブラジルと違うという事に気がついたのだ。
そこでその辺のお土産やさんで聴いてみるとよくしたもので、しっかりと両替で飯を食っているおっさんがいたのである。
お土産やのおっさんが両替もしていて、他に比べればレートはちょっと悪いが、日曜日でヴェネズエラに入ってから交換するのは難しいよというおっさんの声に載せられて、当面の資金を調達したのである。
かくして車を走らせ、すぐ目の前にあるゲートに車を向けた。
前に通過をしていく車を見ると何もせずにどんどんヴェネズエラに入っていく、あれ結局入国に何も要らないのかと思いながらやがて我々の車がゲートに入ると、機関銃をもった係官が”どこまでいくのか”とたずねてきた。
我々はマルガリータ島までいくと告げると、車をそこに止めて階上の事務所にあがるように促された。
よく聴いてみるとサンタエレナはフリーゾーンでサンタエレナまでの入国は何の手続きも無しで入国できるとの事納得した次第である。
ゲート脇のちょっと小高い丘の上に事務所があり、中に入ると連邦警察による入国審査と税関審査が行われる。
ここで車両の証明書のチェックもおこなわれる。
一通りチェックが終わっておもむろに捺印をしサインをして完了、パスポートと書類を受け取って車に戻りいよいよヴェネズエラ入りをする事になったのである。
ベネズエラのゲートを超えてすぐにブラジル国旗とヴェネズエラ国旗が立てられ当時の大統領の胸像が境界線上に置かれている。
記念に写真を一枚、”パチリ”、そのときはまさに我が愛車の汚さに一瞬愕然としたが、気を取り直して考えたら、赤土の埃にまみれた愛車はBR-174を走破してきた勲章というわけで、このまま走り続ける事に決めたのである。
それにしても周りの車がきれいにしている環境の中では”目立つ”存在であった。
なんとなく視線が集まってくる感じがひしひしと感じられた。
ガソリンも底をついたわけではないが、この先どこでスタンドに巡り合えるかわからない状況では(未知であるが故に)常にあった所で満タンにしておくのが鉄則。
この鉄を踏まないと大変な事になるだろう事は容易に想像できた。
早速ガソリンスタンドに車を入れてガソリンを注文、元気よく満タンと頼む。
ガソリンを入れていると車を見て長距離バスの運転手が近づいてきた。
話してみるとこのバスはボアビスタから来たのだというが、運転手は時にはマナウスから走ってくるといっていた。
それにしてもバスの汚れもなかなか相当なものであった。
ただバスは勲章にする必要がないからこの場で洗い落としていたが・・・・
まもなくするとスタンドのおっさんが満タンだといいに来た。いくらかとたずねると此れが高い。
マナウスで購入する値段とほぼ同じなのである。来る前に聞いていた話では確かヴェネズエラは産油国でガソリンは水よりも安いとまでいわれてきた。
其れが実際に請求された値段はマナウスと同じ何故か、不思議な気分になりながらもガソリンスタンドを後にした。
サンタエレナの町はこじんまりとしていて道が狭く、ごちゃごちゃ感がつよい。
道を間違えそうになる事しばしば何度か道を尋ねながらもどうにか町を抜ける事ができた。
グランドサバンナ突入
街を抜ければ廻りは平らなもので見晴らしはどんどんよくなる。
暫くいくといよいよグランドサバンナの始まりである。
ここの景色は壮観そのもの、だだっ広いゴルフ場が広がっているようなもので、適当にアップダウンがあり、所々椰子の木がポツリ、ポツリとおかれているいる様は、クラブとボールをもっていたら思わず打ち込みたくなるような感情を抱かせてくれる。
実際には近づいてみると草は葉の長さが10cmほどもあり、其の根元はがれきのような小石の状態でとてもゴルフボールを置いて打てそうな所ではない事がわかるのだが!!
ここで興味深かったのはこの草の葉が何故か不自然に伸び切っていない事である。自然に伸びれば日本刀の刃のようにスーッと伸びる草のはずであるが、葉の中ほどで刈られたようになっている。ただよく見るとどうも刈られたのではなく、自然の状態で伸び切れていないようなのである。
なんの影響かはよく分からないが、多分全体がこのような感じなのだろうと勝手に考えていた。
あとがき
ブラジルからヴェネズエラへ国境を超えることで陸続きの越境を初めて経験した。
この国に限ったことでなく陸地続きの越境なるものは実際には、手続きや関係書類などに不備等がなければ事務的な処理だけであっさりと済んでしまうものなのだなと実感した。
それにしても産油国であるヴェネズエラのガソリン販売価格がブラジルと同程度の金額となっていたのには驚いたが、実はこれには訳がありその理由については次回の中で説明していきましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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