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アマゾンジャングル!マナウス―マルガリータ島走破記録(6)
はじめに
8日間の予定で走り出した「赤い絨毯の道」の走破チャレンジも偉大なるアマゾンジャングルを抜けて、ブラジルからヴェネズエラへと入ってきて、ブラジルの景色や環境、文化の違いに驚きながらも、イガラッペや蝶のドキドキ、はたまた闇一色のジャングルで見た鳥肌が立つほどの星空の感動、ボアビスタやヴェネズエラの大草原、陸続きの国境の雰囲気や検問所等々たくさんの初めてを感じて2日間の道程が終わりました。
まだまだこの先の雄大な道程は続き興味を引くものばかりでわくわくが止まりません。
今まで知らなかったヴェネズエラの魅力もまだまだたくさん出てくることでしょう。
ヴェネズエラのその先へ肝を冷やした失敗
ホテル内のレストランでどこでも同じような朝食をした後、チェックアウトして3日目の朝を意気揚々と一路マルガリータ島を目指すべく車を再び走らせたのだが・・・チョットおかしい。
高速道路のインターチェンジで道路上には大きな行き先表示が掲げられているが、そこに書かれていたのはサンタエレナ方向だった。
即ちホテルから出て道路を走りはじめたのだが、のった方向が逆だったようで戻っていく方向だったのである。
それにしても早く気がついてよかったと胸をなで下ろした。
とりあえず車をUターンできるまで走らせ軌道修正をして、今度こそはとマルガリータへ向けてアクセルを踏み込んだ。
プエルトオルダスの魅力
それにしてもこの街は昼間見てもやっぱりきれいな町である。
夜は闇に紛れて街路灯や街の明かりでしかわからなかったのだが、川と街が何故か良くマッチしているという印象が強く残っている。
まもなく水力発電所入り口の看板が目に入ってきた。
世界第2位の水力発電所がここにあるらしい、素晴らしいことである。
ただここでも残念ながらゆっくりと発電所巡りをする余裕はなかったのだ。
やがてきれいな吊り橋が正面に迫ってきた、この橋はオリノコ川に架かる橋でアンゴストゥラ橋、絵葉書にもなっていて観光スポットになっているらしい。
ここを過ぎると有料道路に入るが、確か料金は550ボリバール程度で約1レアルチョットといった所である。
(日本円に換算すると当時のレートで50~60円程度)
橋を渡って更に走るとエルチグレというこじんまりとした町に入ってきた。
この辺から道路はわりと広くなってくるがあまり長続きはせず、暫く行くと道幅が狭くなるとともに穴ぼこが目立ち始め道路事情が変化してきたことを感じた。
ヴェネズエラに入ってからも既にかなりの時間が経過しており、ここまで来るとまもなく海が見えてくる頃と淡い期待を持ちながらプエルトラクルスを目指して走り続けたのである。
前方を行く車のCOROLLAの文字が目立っていた。
マルガリータ島への玄関口プエルトラクルス
その後しばらく走り続けると、まもなくプエルトラクルスの標識が見えてきた。
そうなのです、この街こそがマルガリータ島への玄関口なのです。
プエルトラクルスに入ってきたのが午後1時くらいだったと記憶しているがやっぱりこの時間は腹が減ってくる。
とりあえず昼飯を食うために街の中の小さなレストラン(?)に入った、このレストランはランショと呼ぶにふさわしい店構えであるがメニューにはたいした物がない。
何でもいいと言う事で確か肉を食べたような気がするが、それ程にほとんど印象に残らない店であった。
それにしてもこの街では大型のアメリカ車のポンコツのような車が実に多い、特にタクシーが多いのだ。
どういうわけかわからぬが、街の中の狭い道路を我が物顔で走りまわっている印象が強かった。
この街はプエルトオルダスとは随分違ってこぎれいと言う印象には程遠い町であった。
マルガリータ島への定期カーフェリーの不思議
昼飯を終えていよいよここからすぐのフェリー乗り場に向かう。
フェリー乗り場に着くとたくさんの車と大勢の人たちが待っていた。
日に何便か行き来しているのだが、待っている人の実に多い事しかも並んでいなければ乗れない。
然し次の出港予定の船の定員に対して、乗船券を受け取って其の船を待っている人が何故か少ないことに気づく、この出港時間前の空きに対しても他の待っている人に乗船券を発行しようとしないのだ。
不思議に思っているととなりにいた男の人が、我々に教えてくれた。「普通予約は受け付けていないのにアミーゴの予約は入れさせてあるから、船が出るぎりぎりまでは他のお客には絶対に発券しないんだ」と、そこで我々はやっと納得した。やっぱりここも南米の国、アミーゴ(友達)社会の国だったんだと。
それにしても裏でなんでもできちゃうと言う事は悔しい反面、うらやましい気もしながら相棒と交替で順番待ちの列に並ぶ事を余儀なくされたのである。
そのうちに誰からとなくざわつき始め、車で渡るには今日中には渡れないかもしれないと言う声が出始めたのである。
良く聞いてみると人間のみならのっていけるが、船のキャパの問題があり車と共に渡るにはこの待っている人の数では今日は無理と言うのである。
残りの船は最終まで後2便、とりあえずもう少し様子を見ながら待ってみる事にした。
相変わらず待合所の中は人でごった返しており、暑さと相俟って気分を悪くしているような人も見受けられる。
直近の船の時間が迫ってきたが乗船券を発券してもらって待っている人は増えてこない、暫く列に並んで待っているとやっと窓口の担当が乗船券の発行を始めたのだ。
即ち待っても待っても予約を入れてある人間が来ないから、ここで始めて一般の待ち人達に発券がおこなわれるのである。
これもどうも役人がらみのアミーゴの仕業のようであり、日常茶飯事の出来事のようである。
この船の定員までの待ち客に対して発券され締め切られた。
まだまだ残っている人は多いのだが、予約を入れているアミーゴ達がくればここにいる人たちはまたまた後ろにまわされてしまうのである。
悩ましい判断
ここで相棒がまた様子を聞きに行って戻ってきた。どうも最後まで待っても車ごと渡れる可能性は少ないと言うのだ。
どうしようかと悩んでいると隣で同じように待っている若い男が話し掛けてきて「いつも最後の便では必ず全員渡れているから、俺は最後まで待って車で渡る」と言ってきた。
聞けば何回かここを渡っているが、予約を入れている奴等はほとんど来ないから、最後には皆車ごと載せて渡る事ができていたとの事、彼の自信は相当なものでこの辺の事情にかなり詳しい印象を受けた。
ただ最悪の事を考えると我々は時間がない事もあり、最後の便でも渡れなかった時に困る事になるので、此処は相棒の提案通り車を置いて我々だけで渡る事にしたのである。
折角ここまできてと言う残念な思いが強かったが、これだけの強行軍では何が起こるかわからないのもまた事実であり、やむなく車での渡航を断念した次第である。
やがて乗船の時間が近づき乗船開始、船は大きな船でいろいろな人たちがいろいろな思いで乗っている様子が伺える。
デッキから外を見れば外はもう真っ暗、そう我々はほぼ半日もあの待合所に缶詰状態にあったのである。
これから約4時間船に揺られていく、半分定期便のようなものだからかい出しの大きな荷物を幾つも抱えて乗り込んでいるような人もいれば、ビキニ姿のままで乗り込んでいるお姉さん方がいたりして船の中も結構楽しいものである。
そう言えばマルガリータ島の船着き場はセントロから車で凡そ20分くらいかかると聞いた。
船着き場に着いてから、この夜にタクシーなど拾えるんだろうかと二人して心配をしていたら、近くで我々の話を聞いていた男が話しかけてきた。
「私は船着き場に車を置いてあるから、それに載せていってやる」と言うのである、それは願ったりかなったりとすぐにお願いをした。
この男医者らしく島と本土を行ったりきたりしているので車はいつも置いてあると言うのである。
マルガリータ島上陸
暫く会話を楽しんでいると船が最終目的のマルガリータに着いた。
夜の10時頃であった。
船を下りて彼の車に乗り込む、ちょっと古く小さい車だった事を思い出す。
それにしてもどこにいってもいい人はやっぱりいるもんだとあらためておもったものだ。
彼曰くホテルまでは送ってやれないのでセントロの入り口まで送るから、そこからホテルまでタクシーを掴まえてくれというのでそれでオッケーと応えた。
彼の車を降りた後タクシーを乗り継ぎ、今日のホテルはマルガリータ島一番のホテルさすがにこぎれいで良くできたホテルである。
もうだいぶ夜中近くになっている。
腹も減った。
この近くに日本食はあるかとホテルの従業員に聞いてみると、何とこの近くにNIKKEYと言う日本食レストランがあると言うではないか。
よし行こうと言う事で向かって歩き出した。
5分位歩いた所で其の店に出くわした。
ただなんとなく日本食レストランというよりも和洋折衷の感じで、よく教科書で論議されるような見当違いの日本みたいな店がそこにあった。
とりあえず店内に入ってみるとマスターは思った通り現地人、何故か祭のハッピを羽織っている。
この辺まではまだいいかなという感じであるが、、、
飲み物は何があるかと聞くと日本のビールがあるという、早速頼んで待つ事少々サッポロビールが出てきたのでした。
つまみに海の近くでもあるし刺し身を食べようという事で刺し身を注文しばし待つ事にした。
まもなく出てきた刺し身盛り合わせに思わず口あんぐりとなったのである。
其の盛り付け方は、千切りのキャベツをお皿に山にしてその上に刺し身を立てずに寝かせてならべてあったのである。
ちょうど一口カツをならべるように、、
別に決まった形がある訳でもなし、味は海の近くという事もあってそこそこ美味かったし不満は特になかったが、日本もここまで来るとやっぱり理解されていない部分が多い事を実感させられたのである。
聞けばマスターは日本には行った事がないとの事、日本人に教わったとは行っていたが無理もないかなと思った。
満腹感を憶えながら歩いてホテルに戻り、出発3日目にしてとうとうマルガリータ島まで来たんだとあらためて実感しながら眠りに就いた。
あとがき
ブラジルマナウスで夢見た「緑の大地を貫く赤絨毯の道」を走破してのヴェネズエラ沖のマルガリータ島に3日目にして到着した我々は、旅の疲れもあってマルガリータ島の良さやホテルのすばらしさを実感することもなく眠りについてしまったのである。
マルガリータ島のナイトライフを味わうこともなく、またマルガリータ島での夜はもうないことも忘れてである。
仕方のないことだが我々は4日目のマルガリータ島のわずかな時間を、いい思い出にしようと楽しんでいますのでその様子を次回でお伝えしましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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